四大陸2018 4日目 男子FS

四大陸選手権2018 リザルト
台湾の台北にて開催。男子FSは、現地時間2018年1月27日(土)に行われた。
ライストとJスポーツの放送で全員の演技を見た。特に印象に残った演技について、滑走順に感想を書いている。
Jスポーツの解説は岡部由起子さん、実況は小林千鶴さん。
プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、?の五段階評価を付けている。つまり、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。

  • ◎:何度でも見たい。

  • ○:よかった。好き。

  • △:悪くない。まずまず。

  • ×:イマイチ。

  • ?:何とも判断が付きかねる。




●第1グループ
2 Donovan CARRILLO ドノヴァン・カリーヨ(メキシコ)
■SP順位:22,得点:59.07
■楽曲:Hasta Que Te Conoci by Juan Gabriel, performed by Raul di Blasio
■プログラム:△
昨季から継続のプログラム。
3Lzタノ+2Tは、すぐに足をついた。3Loはこらえた。3Sは着氷後ブレードが少し揺れたからか、ちょいGOEマイナス。
スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
演技後、笑顔でガッツポーズ。
くねくね踊ったり、何かを飲む振付が入ったりと、楽しい小芝居プロ(笑)。JGPのときより余裕をもってやれている印象を受けた。
一蹴りの伸びがほしいとか、所作がもっと美しくなればとか、物足りなく感じる部分もあるが、3Lzや3Fを両手を上げて跳べるようになるなど、着実に成長してるんだな~と感じられた。
岡部さんは、SPから「見せることが大好きな選手。笑顔がかわいい」と、彼に注目していて、お気に入りなんだな~というのが伝わってきた。わかります、岡部さん! わたしもそうです☆(笑)
フリー126.84、総合185.91で、どちらもPB更新。


●第2グループ
7 Kevin REYNOLDS ケヴィン・レイノルズ(カナダ)
■SP順位:13,得点:74.65
■楽曲:The Armed Man: A Mass For Peace by Karl Jenkins
■プログラム:○
4S<と4S<+3T+3Lo、3A<は片足できれいに下りたように見えたのだが。
スピンのレベルは2、4、4。ステップはレベル3。
演技後、場内大歓喜。
4S2本、4T2本、サードに3Loの入った連続ジャンプ込みのプログラムを滑り切った。
千鶴さんによると、ケヴィン曰く、「たぶんこれが最後の大会。自由に、幸せな気持ちで、ファンの皆さんのためにベストを尽くしたい」とのこと。まさしく、その言葉通りの演技を見せてくれた。
ジョアン先生が泣いてる…。だよね、これは泣くよ…。わたしも泣く…(感涙)。
フリー166.85、総合241.50で、どちらもPB更新。

8 June Hyoung LEE イ・ジュンヒョン(韓国)
■SP順位:16,得点:69.93
■楽曲:Bohemian Rhapsody
■プログラム:△
3A+2Tはファーストがオーバーターン。2A+2T+2Loと3Sは少しバランスを崩した。3Lzはステップアウトし、手をついて、転倒扱い。
スピンとステップは全てレベル4。FCSp4は、軸がぶれかけ、少しトラベリングしたため、ちょいGOEマイナス。ステップはドラマティックな曲想を、全身を使ってよく表現していた。
動の表現はたいへん素晴らしいのだが、それと比較すると、静のところがイマイチかなぁ。でもほんと、上手になったと思う。音の緩急の表現には目を見張るものがあった。
フリー141.93、総合211.86。

10 Chih-I TSAO チーイー・ツァオ(台湾)
■SP順位:14,得点:72.57
■楽曲:Heroes Crusade by Immediate Music
The Vision by X-Ray Dog
Gods and Demons by Feature World Music
■プログラム:△
3Aはすぐ足をついた。4Tは転倒。3Lzの予定がダブルになり、eが。他のジャンプに着氷の乱れがいくつか見られた。連続ジャンプが2つしか入らず。
スピンのレベルは3、4、3。3つ目のFSSp3は回転がゆっくりになり、ちょいGOEマイナス。ステップはレベル3。
いろんなところに神経が行き届いて、丁寧になったなぁという印象を受けた。滑るスピードや一蹴りの伸びがほしいとか、物足りなく思うところもあるけれど、毎年着実に上手になっていて嬉しい。千鶴さんによると、彼の目標はワールドのFSに進むことらしい。頑張れ!
フリー122.64はSB、総合195.21はPB更新。

11 Julian Zhi Jie YEE ジュリアン・ジージェイ・イー(マレーシア)
■SP順位:17,得点:68.45
■楽曲:It's a Man's World by James Brown
Get It On by James Brown
I Feel Good by James Brown
■プログラム:○
昨季から継続のプログラム。
3Lzと3Loは転倒。他のジャンプに着氷の乱れが多くみられた。
スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
いつもエネルギー全開で滑っている印象の強い選手だが、本大会では万全のコンディションではなかったのか、ちょっと元気がなかった。
岡部さん曰く、「彼はもともとショートトラックの選手だったので、フリーレッグが伸びない。膝やつま先まできれいに伸びるようになると、一つ一つのポジションがきれいになる。それと、ジャンプの待ちが長いのが気になる」とのこと。確かに。特に3Aを跳ぶ前の構えはめっちゃ長いよね。
フリー129.23、総合197.68。

12 Grant HOCHSTEIN グラント・ホクスタイン(アメリカ)
■SP順位:15,得点:70.80
■楽曲:Phantasia: All I Ask of You by Andrew Lloyd Webber
Music of the Night by Andrew Lloyd Webber
■プログラム:○
4Tと3A+2Tはよかった。3Lzはeが。3A<はきれいに下りたように見えたのだが。3Lz+2Tはルッツに!が。
スピンのレベルは3、4、4。ステップはレベル3。
演技後、ガッツポーズ。場内大歓喜。
3+3が入らず、連続ジャンプが2つしか入らなかったが、見た目はクリーンの、すっっばらしい演技だった。
岡部さんも、「最後にかけて盛り上がり、とてもいい演技だった。こういったコレオシークエンスをどの選手からも見たい。曲想をきちんと表現し、最後までパワフル」とほめていた。
フリー155.59、総合226.39で、どちらもSB更新。


●第3グループ
13 Elladj BALDE エラッジ・バルデ(カナダ)
■SP順位:12,得点:75.17
■楽曲:I've Been Loving You Too Long by Otis Redding
Get Up Offa That Thing by James Brown
Coming Home by Leon Bridges
Uptown Funk by Bruno Mars
■プログラム:○
3Loはこらえた。3Fは!が。
スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
演技後、ガッツポーズで吠えた!! 場内大歓喜。
見た目ほぼクリーンな演技。リズミカルな曲想をよくとらえており、後半はもう試合じゃなくてショーみたいだった。
フリー163.03、総合238.20。

14 Takahito MURA 無良 崇人
■SP順位:10、得点:76.66
■楽曲:The Phantom of the Opera by Andrew Lloyd Webber
■プログラム:△
4Tの予定がダブルになり、両足着氷。2つ目の4Tはお手つき。3Aはお手つき。3F+1Lo+2Sは、フリップに!が。連続ジャンプが2つしか入らず。
スピンのレベルは4、3、4。ステップはレベル2。
岡部さんも指摘していたように、最後までスピードが落ちなかったのはよかった。
フリー148.75、総合225.41で、どちらもSB更新。

16 Nam NGUYEN ナム・ニューエン(カナダ)
■SP順位:7,得点:84.09
■楽曲:映画「道」より
■プログラム:△
何シーズンか前のプログラムに戻した。
4SはOK。4T<<は両足着氷。後半、4Tの予定がダブルに。3Loは流れなかった。連続ジャンプが2つしか入らず。
スピンのレベルは4、3、4。2つ目のFCCoSp3は、回転がゆっくりになり、少しトラベリング。ステップはレベル3。
岡部さんも指摘していたように、彼の課題はスケーティングなんだよね。一蹴りが伸びない。最近はジャンプが安定してきたから、そちらのほうにも注力していければ。
フリー153.43、総合237.52。

17 Misha GE ミーシャ・ジー(ウズベキスタン)
■SP順位:8,得点:82.27
■楽曲:The Memories of Youth:
Meditation (from "Thais") by Jules Massenet performed by Lucia Micarelli & Lang Lang
■プログラム:○
3Aは着氷が乱れたが、他のジャンプはクリーンに着氷。
スピンのレベルは3、2、4。ステップはレベル4。終盤のコレオは何度見ても素晴らしい。
音楽と共に、という演技だった。たいへん気持ちがいい。今回もまた、ミーシャ・オン・アイスを堪能させてもらった。ありがとう、ありがとう。
フリー166.69、総合248.96。

18 Brendan KERRY ブレンダン・ケリー(オーストラリア)
■SP順位:9,得点:79.57
■楽曲:Shine On You Crazy Diamond by Pink Floyd
Money by Pink Floyd
■プログラム:△
4Sはお手つき。後半の4Tは転倒。他のジャンプに着氷の乱れや回転不足がいくつか見られた。
スピンのレベルは4、4、3。2つ目のCCoSp4はトラベリング。ステップはレベル2。
う~ん、フリーの終盤でバテバテになってしまった。岡部さんが指摘していた通り、ジャンプに集中していたのか、プログラムを演じることに意識が向いてないように感じる。
フリー140.38、総合219.95。

第3グループが終わった時点で、トップはミーシャ・ジー(ウズベキスタン)。


●第4グループ
19 Jason BROWN ジェイソン・ブラウン(アメリカ)
■SP順位:4,得点:89.78
■楽曲:The Scent of Love (from "The Piano") by Michael Nyman
■プログラム:◎
昨季のプログラムに戻した。
3Aは両足着氷。3Lzは!が。3Lz+1Lo+3Sはすぐに足をついた。
スピンとステップは全てレベル4。
演技後、場内大歓喜。
…泣けた。この「ピアノ・レッスン」は、ほんと、彼のマスターピースですな。
ピアノ一つ一つの音に、全ての動きが合っていて、たいそう美しい。
フリー179.44、総合269.22で、どちらもSB更新。現時点で総合1位。

20 Max AARON マックス・アーロン(アメリカ)
■SP順位:6,得点:84.15
■楽曲:The Phantom of the Opera by Andrew Lloyd Webber
■プログラム:○
4Sは少しバランスを崩したが、他のジャンプはクリーンに着氷。
スピンのレベルは3、3、2V。最後のCCoSp2Vは、シットポジションの腰の位置が高かったような。ステップはレベル3。
岡部さんによると、これが最後の大会となるらしい。マックスもか…さみしい…(泣)。
でも、最後に、彼らしいスピーディーでエネルギッシュな演技ができてよかった。スピンのレベルを取りこぼすのも彼らしい(笑)。
フリー171.30、総合255.45。現時点で総合2位。

21 Han YAN ハン・ヤン(中国)
■SP順位:5,得点:84.74
■楽曲:I'll Take Care Of You by Brooke Benton performed by Beth Hart, Joe Bonamassa
■プログラム:△
4T<と2つ目の3Aは転倒。3F+2Tはフリップに!が。他のジャンプに着氷の乱れや回転の抜けがいくつか見られた。
スピンのレベルは4、3、4。ステップはレベル3。
スケーティングは素晴らしいし、音楽表現もだいぶ深まってきたが、ジャンプのミスが目立ってしまった。
岡部さん曰く、「けだるい感じの選曲で、彼に合っている」とのこと。
千鶴さんによると、「怪我をしてしまった」と話しているらしい。大したことないといいのだが。
フリー143.19、総合227.93。現時点で総合7位。

22 Shoma UNO 宇野 昌磨(日本)
■SP順位:1,得点:100.49
■楽曲:Violin Fantasy on Puccini's Turandot performed by Vanessa-Mae
Nessun Dorma (from "Turandot") by Giacomo Puccini, performed by Jose Carreras
■プログラム:○
衣装がイエローに変更。
彼が跳んだジャンプは下記の通り。
4Lo 4F 3Lo(ここから後半)3A 4T+2T 4T 3A+1Lo+3F 3S+3T
4Lo<はきれいに下りたように見えたのだが。4F<は転倒。後半のジャンプは全てクリーンに決められた。
スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
最後のCCoSp4は、音楽が最高潮に盛り上がるのと動きがぴったりはまっていて、最高にアガる。
フリー197.45、総合297.94。現時点で総合1位。ああ~、300点まであと少し!

23 Keiji TANAKA 田中 刑事(日本)
■SP順位:3,得点:90.68
■楽曲:Amarcord by Nino Rota
Le Notti di Cabiria by Nino Rota
La Paaserella di Otto e Mezzo by Nino Rota
■プログラム:○
冒頭、4Sの予定がトリプルに。2つ目の4Sはすぐに足をついた。3Aの予定がダブルに。
スピンのレベルは4、2、4。ステップはレベル3。少し硬さが見られたが、終盤のコレオは生き生きと演じていて、魅了された。
冒頭のジャンプ3つでミスが出て、「ギャー!!」と青ざめたが、後半は4Tも3A+2T+2Loもきれいに下りた。連続ジャンプも3つ全部入れられて安心した。
フリー169.63、総合260.31で、どちらもPB更新。現時点で総合3位。

24 Boyang JIN ボーヤン・ジン(中国)
■SP順位:2,得点:100.17
■楽曲:Mars (from "The Planets") by Gustav Holst
Cantina Band (from "Star Wars: A New Hope") by John Williams
Guardians of the Whills Suite (from "Rogue One: A Star Wars Story") by Michael Giacchino
The Throne Room/Finale (from "Star Wars: A New Hope") by John Williams
■プログラム:○
彼の跳んだジャンプは下記の通り。
4Lz 4S 3A+1Lo+3S(ここから後半)4T+2T 4T 3A 3Lz+2T 3F
3Lz+2Tは、ファーストがオーバーターン。ジャンプの質が素晴らしい。安定感が戻ってきた!
スピンとステップは全てレベル4。前半のコレオはウキウキするような躍動感があって素敵だった。
GPでは海のものとも山のものともつかなかったプログラムが、だいぶ仕上がり、形となってきた。
フリー200.78、総合300.95。どちらもSB更新。総合1位に確定。


◆総合順位
左から総合順位、名前、国名、得点、SP順位、FS順位の順に記されている。
1 Boyang JIN CHN 300.95 2 1
2 Shoma UNO JPN 297.94 1 2
3 Jason BROWN USA 269.22 4 3
4 Keiji TANAKA JPN 260.31 3 5
5 Max AARON USA 255.45 6 4
6 Misha GE UZB 248.96 8 7
7 Kevin REYNOLDS CAN 241.50 13 6
8 Elladj BALDE CAN 238.20 12 8
9 Nam NGUYEN CAN 237.52 7 10
10 Han YAN CHN 227.93 5 12
11 Grant HOCHSTEIN USA 226.39 15 9
12 Takahito MURA JPN 225.41 10 11
13 Brendan KERRY AUS 219.95 9 14
14 June Hyoung LEE KOR 211.86 16 13
15 Denis TEN KAZ 210.82 11 15
16 Julian Zhi Jie YEE MAS 197.68 17 16
17 Chih-I TSAO TPE 195.21 14 19
18 Donovan CARRILLO MEX 185.91 22 17
19 He ZHANG CHN 184.82 19 20
20 Geon Hyeong AN KOR 180.26 23 18
21 Andrew DODDS AUS 177.81 18 23
22 Sihyeong LEE KOR 177.07 20 22
23 Abzal RAKIMGALIEV KAZ 175.58 21 21
24 Leslie Man Cheuk IP HKG 150.23 24 24


◆総評
優勝はボーヤン。初優勝おめでとう。彼は2年連続ワールドで銅メダルを獲得しているし、総合で300点超えも果たしていたのに、オリンピックのメダル候補に見なされておらず、非常に不満だった。でも、「この四大陸の優勝で、きっと五輪メダル候補として注目が集まるに違いない!」と、ほくそ笑んでいたのだが、その後も日本の報道を見るに、海外のメダル候補として、ハビとネイサンの名前は挙がるんだけど、ボーヤンの名前は挙がってこないんだよね…なぜだ…本大会で300点超えもしたのに。

総合2位は昌磨くん。PCSはトップ。正直悔しい!! めっちゃ悔しい!! …いや、おまえが悔しがってどうする、という話なんだけど、ファイナルも僅差で敗れて2位だったからさ…。でも、昌磨くん本人はすっきりした顔をしていたので、納得いく演技&結果だったんだと思う。

3位はジェイソン。PCSは昌磨くんと僅差の2位。彼の傑作プロ、「ピアノ・レッスン」をもう一度見られて、本当に幸せだった。

4位の刑事くんは、冒頭、得点源のビッグジャンプをミスしてしまい、このまま崩れちゃったらどうしようと思ったが、後半きっちり立て直した姿に、ほんと強くなったな~と感動した。

5位のマックスと7位のケヴィン、8位のバルデ、11位のグラントは、たぶんこれが最後になるだろうと思われる大会のFSで、とてもいい演技ができて、すごく嬉しい。ジュニアのころからずっと見守ってきた彼らが引退してしまうのはさみしいけれど、彼らの新しい門出を心から祝福したい。今まで素敵な演技をたくさん見せてくれて、どうもありがとう。

テーマ : フィギュアスケート
ジャンル : スポーツ

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